ビバリーヒルズコップを見ながら、日本社会のたそがれを感じてしまいました。
2021/07/04
BSで、ビバリーヒルズコップがやっていたので、久しぶりに見たのであります。
何回も見たことあるけど、シンプルかつ、爽快感を感じる映画です。
大人になって改めて見ると、気がつく事が多い。
舞台は、デトロイトから始まり、ビバリーヒルズへ。格差社会の風景。
80年代といえば、日本、米国の貿易摩擦真っ只中。
トヨタを始め、日本車にグイグイ追いやられるデトロイトの風景から見るアメリカ社会の不景気模様。
黒人の多く住む街中で、離職中を連想させる時間を持て余す青年、年配者のたそがれ風景の沈んだ雰囲気漂う車の街。
一転、ビバリーヒルズ。ブランドショップが軒を連ね、ロッド・スチュアートやマイケル・ジャクソンを模する格好をした人達が、愉快に街を練り歩き、高級車を乗り回す上品なセレブの面々。
そこへ、ベコベコにへこんだ薄汚いオンボロのシボレーで、ポンコツなんて何のその。何吹く風で、ニコニコと陽気な雰囲気で、やってくるガサツで、ハチャメチャな黒人警官。
一方、上品で優雅な雰囲気の中、規律を重んじながら、礼儀正しく、ピリピリカルチャーの真面目で頑固な白人警官の面々。
今の時代なら、完全に問題描写な対比イメージの中で、物語が進んで行く。
よくよく考えると、物語には直接関係ないけど、日本と米国の貿易摩擦がバックボーンにある映画なんだと、改めて感じるのであります。
今は昔。時が流れ、日本の、その立場は、中国に・・・。
デトロイトの風景は、今のどこかの国とも重なります。
何気に好きなシーンは、アクセル(エディ・マーフィー)の上司、鬼軍曹の様なトッド警部とのやりとりが最高です。尻に火がつき怒る男、めげない男のせめぎ合い。普段は、字幕派だけど、エディ・マーフィーとマイケル・ホイは、吹き替え版に限ります。
映画は、楽しく爽快感ある物語なんだけど、日本社会のたそがれも、同時に感じてしまいました。
そういえば、同時代の名作映画の金字塔といえば、マイケル・J・フォックス主演のバック・トゥ・ザ・フューチャーがあるけど、このビバリーヒルズコップの中にも、タイムマシンのベースになっているデロリアンが、こっそり出て来てました。
セレブの敵役、メイトランドの家の前に、さりげなく、デロリアン路駐してました。
エディ・マーフィーの笑顔を見ながら、楽しくするも、そうでなくするも、結局、自分自身の心がけ次第なんだなと、改めて感じた次第であります。相田みつをさんの名言が、まさにそれ。